【横浜＝７月２７日】
神奈川県高校野球大会の決勝戦、横浜高校と東海大相模という伝統校同士の激突が、横浜スタジアムで行われた。この試合で、球場全体が騒然とする場面が訪れた。
試合は中盤の五回、横浜が１点をリードする中、２アウト一塁の場面で打席に立ったのは、前の打席でホームランを放っていた横浜の４番・奥村頼人選手。勢いに乗る横浜にとって、さらなる追加点を狙う絶好のチャンスだった。
しかし、初球はインコースに大きく外れ、奥村選手の右肩付近に直撃。痛みに顔をしかめた奥村選手は、感情を抑えきれず、手にしていたバットを勢いよく地面に叩きつけた。その直後、視線をマウンドへ向け、怒りをあらわにした。
その様子に球審がすぐに駆け寄り、両者の間に割って入る形で事態の沈静化を図った。一方で、東海大相模の先発・菅野投手もすぐさまマウンドを離れ、奥村選手に深く一礼し謝罪。スタンドからはどよめきと共に、両校への拍手が沸き起こった。
この一件は、甲子園を懸けた決勝戦という極限の緊張感の中で起こった出来事であり、両選手の真剣な姿勢があらためて浮き彫りになった瞬間だった。
試合はその後も熱戦が続き、観客の応援が一層ヒートアップ。まさに「神奈川の頂上決戦」と呼ぶにふさわしい一日となった。
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